多摩大学大学院 講義内容

<多摩大学大学院 講義内容>

 

科目群/Course Classification:実践知考具/リーダーシップと人事

科目名/Course Title:ストレスマネジメントと精神回復力(Stress Management and Resilience

サブタイトル/Sub Title:心身医学・行動科学的観点からみたストレスマネジメントと意識改革

 

●講義目的/Aim of Course

 心理・社会的ストレスは身体に影響を及ぼし、様々な症状を誘発することは医学的にも明らかになっている。仕事をしていく上で、予期せぬ出来事やハプニングに遭遇しながらも高い目的に向かって進まなくてはならない。逆境の中、自己のもつ能力を最大限に発揮する手段にストレスマネジメントがある。本講座は、心理学・行動科学、さらに心身医学を交え、ストレスマネジメントと精神回復力を養うノウハウを実践的に習得すると共に、組織力向上を目指し、部下のメンタルヘルスにも触れる。労働契約法第5条安全配慮義務に位置づける予見可能性では、部下の変化や不調をいかに速やかに感知できるかが問われ、リスクマネジメントの流れを変える。それは、部下を守り、自身を守り、そして会社を守ることを意味する。職場のストレスマネジメントを軸とし、より良い組織構築に向け、実践的に問題解決力を養うことを目指す。

 

●到達目標/Course Goals

 ストレスが招く身体化のメカニズムを理解し、心理学・行動科学・心身医学に基づき、上記目的に資する職場のストレスマネジメントに関して、ケースを交え、洞察力を養い、状況に応じた適切な判断力と解決手法を習得する。

 

●授業形態/Form of Class

 講義、グループディスカッション、グループワーク、プレゼンテーション、双方向

 

●講義概要/Course Description:全8講 各180

 

 

1講:心理・社会的ストレスが招く身体化のメカニズム ~思考と感情が身体に与える影響~

    適度なストレスは良い刺激となり自己成長を促すが、過度なストレスは身体に影響を与え、疾患を招くことが知られている。ストレスマネジメントの意義を理解し、メンタルヘルスへの正しい認識と意識を高める。ストレスが招く身体化のメカニズムを知り、自らの体験や職場の社員の体験を振り返り、グループディスカッションを通して気づきを得る。

 

2講:心理学・行動科学的観点からみる他者理解 ~対人関係ストレスをミニマムにするには~

    対話なくして仕事は成立しない。しかし残念ながら、職場における対人関係に悩む社員は少なくない。厚生労働省が実施する健康調査によると、ストレス要因の上位には、毎回“職場の人間関係問題”が挙がる。本講座では、対人関係ストレスをミニマムにし、良好な対人関係を構築するために、心理学・行動科学に基づき他者理解を深める。ケースを交えグループディスカッション、ロールプレイングを通して新たなコミュニケーション術を習得する。

宿題:可能な限り、職場で生じた対人関係問題に触れ、心理パターンを分析、行動理由を探り、関係性の改善に向けたアプローチを考える。発表者を募り、第3講でケースを発表、事例検討を行う。

 

3講:逆境に立ち向かうストレスマネジメント ~自己効力感 レジリエンスを交えて~

    第2講の課題:発表者による事例検討会

古くから“病は気から”ということわざがある。今や医学的、科学的にもその根拠は実証されている。逆境の中、困難な状況にあっても克服する人、過酷な状況にも左右されず良い結果をもたらす人がいる。そうした心理状態と精神回復力に焦点を当てる。米国心理学会では、こうした力は、誰もが学習する可能性があり発展させることができるとした。理論、手法の他、レジリエンス力を強化するために、自身が大学病院にてストレス性疾患の患者に向けて実施した独自のリラクセーション法を合わせて紹介する。自律神経系のバランスを整え、平常心を養う手段として、ストレスマネジメントの一環として導入されたい。

 

4講:組織強化と育成 ~ラポールとモチベーション、フロー心理を交えて~

    部下の育成にあたって信頼関係なくしては語れない。相手の印象を決定づける情報とは、言葉よりもむしろ、言葉以外からなるノンバーバル・コミュニケーションが大きな割合を占めることが知られている。本講座では、心理学を交えた面談法と行動科学を交え行動特性を考慮したモチベーションを紹介する。ケースを挙げ、グループワークを通して発表。

 

5講:マインドアップと行動変容 ~行動変容ステージからみる意識改革~

    本講義では、部下の自己成長に向けた適切なアプローチを考える。部下は行動するべき意味を理解していないため実行しないのか、あるいは頭の中では理解しているものの、実行するに至らないのか。部下の行動理由、心理、抱える問題を理解し、行動変容ステージからアプローチ法を検討する。ケースを交えたグループディスカッション、問題解決へと導く(発表)。

 

6講:現代社会におけるストレス性疾患 ~早期発見と適切なとり組み~

    ストレス社会を背景に、企業では社員のストレスチェックやメンタルヘルス研修の実地など、様々な取り組みがなされている。安全配慮義務に示す予見可能性は、メンタルヘルスの流れを変える早期発見の重要な位置づけとなる。部下の些細な変化や不調を迅速に感知する観察法および面談法を紹介すると同時に、状態に合わせた適切な対応を学ぶ。ケースを交えグループディスカッションを通して検討し、発表する。

 

7講:精神的な問題を抱える社員の対応法 ~社員を救うメンタルサポート~

    失業者を対象に、情緒的支援の有無と疾患率や死亡率に関して、研究者らが調査したところ、明らかに相関が認められたことが報告された。このことは、周囲の精神的なサポートは非常に有効であることを意味づけている。本講座では、事例を通して、支援が有効なケースと専門家にリファーしなくてはならないケースの見極め方を紹介し、適切な支援法について紹介する。職場の休職者や復職者の支援にも、是非、活用していただきたい。

 

8講:本講座のフィードバックと新たなとり組み

~本講座を通して何を学んだか? 今後の活かし方を考える~

全講座を通して学んだこと、気づきを得たことなどをシェアし、各自が今後の活かし方を発表する

宿題:最終レポート

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